中野 慎三 “GENERAL PARTNER” SHINZO NAKANO
日本は将来の基幹産業を担う、海外でも通用する
メガベンチャーを作っていかなければなりません。
その役割を担うのが、スタートアップを支援する私たちVCなんです。
日本は将来の基幹産業を担う、
海外でも通用するメガベンチャーを
作っていかなければなりません。
その役割を担うのが、スタートアップを
支援する私たちVCなんです。
中野 慎三 GENERAL PARTNER
1989年伊藤忠商事入社。90年代前半よりITOCHU Technology Inc.(Santa Clara, CA)においてベンチャー投資事業に携わる。KPCBを始めとする米国のトップティアVCとの関係を築き、伊藤忠商事グループにおけるベンチャー投資事業の土台を構築。2000年に伊藤忠テクノロジーベンチャーズを立ち上げ、取締役&パートナーとしてベンチャー企業への投資およびハンズオン支援に従事。2006年ITOCHU Technology Inc.にてSVP&COO就任。2010年伊藤忠商事にて情報通信戦略室長就任。2011年伊藤忠テクノロジーベンチャーズにて取締役&パートナー就任。2012年伊藤忠商事にて情報産業ビジネス部長就任。2015年4月伊藤忠テクノロジーベンチャーズにて代表取締役社長就任、2023年10月取締役&パートナー就任、現在に至る。
商社とVCの仕事に
見出した共通点
ITVは、2000年に立ち上がった独立系VCです。それ以前の私は、ITOCHU Technology Inc.に所属し、シリコンバレーでのスタートアップ投資に携わっていました。そこでVCという仕事に出会ったのです。
「VCという仕事は、商社の仕事に近い」——それが最初に抱いたVCの印象でした。商社はゼロから事業を作り、大きくしていく。VCも自分たちで事業を作りもするし、投資を通じて事業を大きくもする。
彼らの仕事に心惹かれた私は、シリコンバレーでトップティアVCとの関係を築き、伊藤忠商事グループにおけるスタートアップ投資事業の土台を構築していったのです。
これまで自分が歩んできた仕事にも近いVCに惹かれた私は、日本国内にマザースなどの新興市場が誕生したタイミングで日本でITVを設立。インターネット・バブルが崩壊する直前に一号ファンドを組成し、スタートアップへの投資を始めました。
ITVの特徴は、伊藤忠のリソースを使いながら、独立して起業家支援ができること。伊藤忠にとっても、起業家にとってもWin-Winな選択をしながら、VCとしてもリターンを出し、産業に新陳代謝を起こす。それが創業当時から一貫して掲げている使命です。
日本産業に新陳代謝を
もたらすために
商社は、各時代で事業を柔軟に変化させて成長してきました。事業の新陳代謝を繰り返して生き延び、成長し続けています。日本の産業にも、新陳代謝が必要です。そうしなければ、生き残っていけません。
アメリカの時価総額のトップに並ぶ企業の顔ぶれはこの20年でガラッと変わりました。かつては重厚長大産業が並んでいたランキングの上位も「GAFA」に代表されるITの企業に変わっています。
一方で、日本において時価総額のトップに並ぶ企業はほとんど変わっていません。このままでは早晩、日本の国力も落ちるでしょう。時代の変遷と共に産業の主役は変わるものであり、そのためには新しい企業が登場しなければなりません。
日本でもIT企業が成長していますが、海外で勝負できている企業はまだ出てきていないに等しい状態です。日本は将来の基幹産業を担う、海外でも通用するメガベンチャーを作っていかなければなりません。
その役割を担うのが、スタートアップを支援する私たちVCなんです。
スタートアップの生態系を次のレベルへ
ITVを創業した当時から20年が経ち、スタートアップという世界は世の中に知れ渡りました。リスクマネーの流入も増え、起業するプレイヤーも増えてきてエコシステムができつつあります。
しかし、まだ北米と比べるとプレイヤーの層も薄く、リスクマネーの金額も小さいのが現状です。お金も人材も集まり、トレンドが上向いている今、日本のスタートアップエコシステムは、さらにレベルを上げていかなければなりません。
インターネット・バブルの崩壊やリーマンショックなど、景気が落ち込んだときのように、この先また日本の景気が落ち込む可能性はあります。市況が悪いときは大企業だって辛い。その中で日本産業を成長させていくためには、スタートアップを伸ばさざるを得ない。
景気が上がるにせよ、下がるにせよ、スタートアップの育成は待ったなしの状態です。次なる国の基幹産業を育てていくべく、ITVは挑戦を続けていきます。