山下 亮 “PRINCIPAL” RYO YAMASHITA
私はハンズオンという言葉があまり好きではないんです。
投資した以上は仲間であり、仲間をサポートするのはあたりまえのこと。
そんな言い方をしなくても、困ったことがあったら
すぐに飛んで行って一緒に汗をかきます。
私はハンズオンという言葉が
あまり好きではないんです。
投資した以上は仲間であり、仲間を
サポートするのはあたりまえのこと。
そんな言い方をしなくても、
困ったことがあったら
すぐに飛んで行って一緒に汗をかきます。
2017年、伊藤忠商事(株)に入社。金融・保険部門に所属し、国内リテール保険の販売事業、国内外グループ会社の経営管理・支援、国内事業会社のM&Aやグループ間シナジーの創出、 スタートアップ投資・営業支援を担当する。2022年にVCに転職。主に西日本エリアのスタートアップを中心に投資活動に従事。2023年2月より伊藤忠テクノロジーベンチャーズに入社、現職に至る。大阪大学基礎工学部システム科学科卒。
ITVなら早く成長し、
スタートアップに貢献できると思った
投資家の立場になってビジネスを見るようになったのは、伊藤忠商事に入って3年目に国内リテール保険代理店の子会社化を手がけたり、4年目にスタートアップ投資を担当したりしてからです。起業家のみなさんは優秀で、メンタルが前向き。一緒に働いていて見る見るうちに惹きつけられていくというのが第一印象でした。
仕事は充実していました。ただ、より踏み込んで支援していくうちに悩みも浮上してきました。いずれ何らかの形で事業を取り込みたいと考えている事業会社としての伊藤忠と、目まぐるしく変わる環境に対応するスタートアップの間にジレンマが生じることがあったのです。私は投資家側ですが、もう少し起業家側に立てないか。そう考えて導き出したキャリアがベンチャーキャピタリストへの転身でした。
転職したVCではソーシングを担当しました。CO-FOUNDERの覚悟で働き、以前よりも圧倒的に起業家と近く、想像していた通りで転職して良かったと思いました。唯一の不安は、私はキャリア採用でベンチャーキャピタリストとしては駆け出しであり、一刻を争うこの業界で自身がいかに早く、どうスタートアップに貢献していくのかということでした。
ベンチャーキャピタリストとしていち早く成長するために、どうすればもっと多くの経験を積めるのか――。それを模索していたときに、SNSでITVパートナーの小川から声をかけてもらいました。ITVは厳選集中投資で投資社数は決して多くはない。ただ、少数精鋭の組織で、ベンチャーキャピタリスト一人の責任も大きく、ここならさらに早く成長し、微力ながらもいち早くスタートアップに貢献できると感じて転職を決めました。
伊藤忠のネットワークを
活かして支援
ITVは刺激的な職場です。前職はフルリモート・フルフレックスでしたが、ITVはリモートが半分。週に1回は全員で顔を合わせる機会もあります。キャリアの浅い私にとっては、同僚との会話の一つひとつが勉強になる。「ここなら成長できる」という期待は間違っていなかったと思っています。
創業当時からの使命である「伊藤忠のリソースを使いながら、独立して起業家支援ができること。伊藤忠にとっても、起業家にとってもWin-Winな選択をしながら、VCとしてもリターンを出し、産業の新陳代謝を起こす。」という言葉通り、ITVのVCとしての強みも実感しています。
VCの価値は、単にお金を出すことだけではありません。むしろ投資以上に、投資先の売上や利益、人材採用をはじめ多岐にどれだけ貢献できるかが最も重要です。その点、ITVは伊藤忠と連携していて、ほぼどのような領域の顧客も紹介できるし、伊藤忠自身が投資先の商品やサービスを使うことができます。そのインパクトの大きさは、他のVCにはない優位性でしょう。
私自身の強みもそこにあると思っています。私は伊藤忠で5年働いた、いわば“アルムナイ”。かつては顧客を紹介したり自身がユーザーになる側にいたので、どこにどのようにアプローチすれば伊藤忠のネットワークを活用できるのかわかっています。その経験もぜひ活かしていきたいです。
目指すは、
再現性をつくり出すこと
ITVはハンズオン支援を強みにしています。ただ、実は私はハンズオンという言葉があまり好きではないんです。投資した以上は仲間であり、仲間をサポートするのはあたりまえのこと。ハンズオンという言い方をしなくても、困ったことがあったらすぐに飛んで行って一緒に汗をかきます。
実際、伊藤忠でスタートアップ投資をしていたときに投資先の担当者が急に退職して、その穴埋めでマーケティングの実務をしていたこともあります。営業や企画、管理の経験もあるし、どのような役割を任されても貢献できる自信はあります。
一方で冷静な視点も磨きたいですね。自己分析ですが、私はミクロでギュッと近づいて寄り添うモードと、マクロな視点で客観的に眺めるモードを意識的に切り替えるタイプ。起業家のみなさんの思いに共感しつつも、事業の課題を冷静に評価する目を持ち続けることは、結果的に投資先の成長につながると考えています。
将来は、「再現性」をつくり出せるベンチャーキャピタリストになりたいです。私は学生時代、ラクロスの弱小チームに所属してました。しかし、ずば抜けた選手がいないチームでも、やり方しだいで強くすることは可能。実際、工夫を重ねて2部リーグにいたチームは1部になり、関西で優勝、全国で2位にもなりました。起業家のみなさんは非常に優秀な選手ですが、もしそうではなくても「山下と一緒にやれば強くなれる」と言われるようになりたい。理想のベンチャーキャピタリストを目指して、これからも研鑽を続けていきます。